眠ると、だれが会いに来るの?

石垣 和子 著

Trinity Books · 2026年11月2日

大切な人を夢に見たことのあるすべての人へ。静かで詩のような、夜のお話の一年。

読む時間の目安: 約5時間10分(1分に360字で読んだ場合)

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ページ数208ページ

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基本情報

著者日本 石垣 和子
カテゴリー夢占い / 睡眠 / 神話の語り直し / 民俗学
本の言語日本語
発売日2026年11月2日
ページ数208ページ
商品番号TB-W0016-JA
読む時間の目安約5時間10分(1分に360字で読んだ場合)
印刷用PDFA5判・本文PDFと表紙PDF(塗り足しつき:3mm/3.175mm の2種類がダウンロード可能です。) · 208ページ

この本のカテゴリー

カテゴリー暮らし・実用夢占い

カテゴリー健康・からだ睡眠

カテゴリー学び・教養神話の語り直し

カテゴリー学び・教養民俗学

本の紹介

「おばあちゃんがいたんだ」と弟は言いました。「工房に。青いラジオを直してて、小さいドライバーを取ってって言われた」――おばあちゃんが亡くなったあとの一年の、十六の夜。姉は夜ごとに、亡くなった人が夢に帰ってくる古いお話をひとつずつ語り、眠りの科学がわかっていることを、その横にそっと並べます。

十六の夜、十六の古いお話、そして会いたい人を思う一年。

春のはじめにおばあちゃんが亡くなり、わたしと高校生の弟は、おばあちゃんが時計やラジオや自転車を直していた古い家で一年を過ごします。その一年の十六の夜、どちらかがおばあちゃんの夢から目を覚まし、あるいは夢を待ち、あるいは夢をこわがり、姉はその夜、ひとつのお話を語ります。

お話は、人がいちばん長く語りついできた本から選ばれています。眠りのなかで亡き友に手をのばす英雄、若い兵士に星のあいだから地球を見せる祖父、さびしい浜辺から息子を呼びもどす父、旅の途中で亡霊に出会う僧、川の向こうに幼い娘を見る父。それぞれのお話の横には、眠りの科学がいまわかっていることが、落ちついたやさしいことばで置かれています。

どの夜にも、眠る前や目覚めたときに試せる小さなことがひとつあります。巻末には、かんたんなクイズ、この本に出てくる人たち、試してみることのまとめ、よくある質問があります。

十六の夜があなたに残すもの

  • 亡くなった人が夢に帰ってくる、さまざまな時代と地域の十六の古いお話
  • レム睡眠とノンレム睡眠から夢の覚え方まで、眠りと夢のしくみのわかりやすい見取り図
  • こわい夢、会いたい人の夢、夢を見ない夜を、落ちついて迎えるための考え方
  • 夜と朝のための小さな練習(巻末にまとめてあります)

目次

  • 眠ると、だれが会いに来るの?
  • この本で考える問い
  • ゆうべ、会いたい人が夢に来ましたか?
    1. 夜中の二時、弟が階段に座っていました。
    2. 家の壁には、おばあちゃんの時刻表がまだ貼ってありました。
    3. パン屋のシフトは四時からでした。
    4. 今夜のお話
    5. 夢のなかの友は、本人そのものの姿をしていました。
    6. 夢は、わたしたちがしまっておいたものすべてから借りてきます。
    7. 眠りのなかで亡くなった人に会う人は、たくさんいます。
    8. 今夜、試してみること
    9. わたしは弟に、夜のことでひとつ約束をしました。
    10. 工房の時計たちは、だれかがねじを巻いてくれるのを待っていました。
  • 亡くなった人の夢は、めずらしいのでしょうか?
    1. たいていの人は、こうした夢をめずらしいものだと思っています。
    2. 母は、いちごを洗いながら夢の話をしました。
    3. 弟の友だちは、何年もお父さんの夢を見ていました。
    4. ほとんどの夢は、つかまえる前に行ってしまいます。
    5. こうした夢のまわりの沈黙は、習慣であって、決まりではありません。
    6. 今夜のお話
    7. このお話は、最初に聞こえるよりもずっとやさしいんです。
    8. 人がいちばんよく話すのは、なぐさめられたということです。
    9. 四人の声がすると、家の音がちがって聞こえました。
    10. 今夜、試してみること
  • 夢を見るのは、ひとつの種類の眠りのときだけですか?
    1. 夢はひとつの種類の眠りのときにだけ見るものだと、よく言われます。
    2. 雨の日、弟は宿題をしながら眠ってしまいました。
    3. 今夜、試してみること
    4. ひと晩の眠りは、各駅停車の列車のように進みます。
    5. 静かな駅にも、それぞれの夢があります。
    6. 雨のせいで、工房は油とほこりのにおいがしていました。
    7. 今夜のお話
    8. 同じ古い本には、お葬式で太鼓をたたく男も出てきます。
    9. どくろの自由は、亡くなった人のもので、わたしたちのものではありません。
    10. 弟は、わたしには答えられない問いをしました。
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  • 夢は一瞬で終わるのでしょうか?
    1. 長い夢もほんの一瞬のことだと、多くの人が思っています。
    2. 弟は夜行バスで、海までずっと乗っていきました。
    3. 今夜のお話
    4. スキピオは、夕食の席での話が夢を呼んだのだと考えました。
    5. 夢のなかの祖父は、若者を自分の人生へ送りかえしました。
    6. 眠っている人のなかには、夢のなかから合図を送れる人がいます。
    7. 夢のどの部分も同じ速さで時間を刻むわけではありません。
    8. 夢は、ひらめきというより、時計のように時を刻みます。
    9. 今夜、試してみること
    10. その年はじめての暖かい夜が、窓から入ってきました。
  • 亡くなった人は、知らせるためだけに来るのですか?
    1. 亡くなった人は、警告するためだけにもどってくると、多くの人が思っています。
    2. 夏はじめての暑い夜、家じゅうが眠れずにいました。
    3. 今夜のお話
    4. 昔、このお話は議論の一部として語られていました。
    5. 亡くなった人の夢は、たいていなんの知らせも持たずにやってきます。
    6. わたしが見たおばあちゃんの夢も、同じようにふつうのものでした。
    7. おばあちゃんは、ほかのどんなことばよりも「待って」とよく言っていました。
    8. となりの蜂たちは、巣箱から熱を扇ぎだしていました。
    9. おばあちゃんの作業台の上には、フェリーの時刻表がまだ留めてありました。
    10. 今夜、試してみること
  • 夢は、わたしたちの外からやって来るのでしょうか?
    1. 夢はどこかほかの場所から送られてくると、多くの人が思っています。
    2. 暗くなると、灯籠がひとつずつ川をくだっていきました。
    3. 弟の友だちは、お父さんのために灯籠を水に浮かべました。
    4. いちばん古いお話では、夢は枕もとに立ちます。
    5. 今夜のお話
    6. わたしたちは、おばあちゃんがいつも立っていた橋にのぼりました。
    7. 眠っている脳は、訪れる人を内側から組みたてます。
    8. わたしたちの内側でつくられた夢も、やはりおばあちゃんのものなんです。
    9. 今夜、試してみること
    10. 母は、最後の灯籠を台所のテーブルに置いておきました。
    11. 家に帰ると、小さな音があちこちでしていました。
  • 夢のおばあちゃんは、なぜ若いのでしょう?
    1. 夢は記憶を録音のように再生するものだと、多くの人が思っています。
    2. 夏の最後の一週間は、焼きたてのパンとほこりのにおいがしました。
    3. 今夜のお話
    4. 源氏の父は、生きていたころとまったく同じ姿でやってきました。
    5. 夢は、組みなおした自転車のように、古い部品から組みたてられています。
    6. 母は、夢のなかで、また別の年ごろのおばあちゃんに会います。
    7. アルバムは、おばあちゃんの机のいちばん下の引き出しにしまってありました。
    8. 弟は、写真のなかに赤い自転車を見つけました。
    9. 今夜、試してみること
    10. 向かいの時計屋さんは、四十歳のころのおばあちゃんを覚えていました。
    11. わたしたちは、アルバムをひと晩じゅう台所のテーブルに広げておきました。
  • 夢を覚えていなければ、夢を見なかったことになりますか?
    1. 夢をまったく見ない人もいると、多くの人が思っています。
    2. 弟は、もうおばあちゃんの夢を見なくなったと言いました。
    3. 夢は、目が覚めると、速い列車から見る駅のように薄れていきます。
    4. 早い時間の目覚ましが、ときどき夢の途中をつかまえます。
    5. 日本語の古い劇には、ひとつの夢を軸にしてつくられたものがあります。
    6. 今夜のお話
    7. こうした劇の多くで、旅人は夜明けにひとりで目を覚まします。
    8. 弟の友だちは、もう一度そのお話を聞かせてほしいと言いました。
    9. おばあちゃんの修理の記録のうしろには、いくつか夢が書いてありました。
    10. わたしたちは、バスターミナルのそばのお店でノートを二冊買いました。
    11. 今夜、試してみること
  • ゆうべの夢は、なぜあんなにこわかったのでしょう?
    1. 亡くなった人の暗い夢は知らせだと、多くの人が信じています。
    2. 嵐が家に届いたのは、目覚ましが鳴る一時間前でした。
    3. 今夜のお話
    4. 弟の夢のほこりは、わたしたちの家から来たものでした。
    5. こわい夢は、荷物がどれほど重いかを見せてくれます。
    6. 今夜、試してみること
    7. 弟は、雨がやむ前にベッドへもどりました。
    8. パン屋はあたたかくて、いつもの物音でいっぱいでした。
    9. ギルガメシュは、自分の都の城壁のほかにはなにも持たずに帰ってきました。
    10. その日の午後、わたしたちは工房の床を掃きました。
  • 夢の中で、夢だと気づけるのでしょうか?
    1. 明晰夢はめずらしい才能だと、多くの人が思っています。
    2. 弟は、夢を見ていたとわかったまま目を覚ましました。
    3. 工房の時計の文字盤には、数字がありませんでした。
    4. 眠りの実験室では、夢を見ている人が目で合図を送るのが観察されてきました。
    5. 今夜、試してみること
    6. 弟の友だちは、夢を選べるのかと聞きました。
    7. 今夜のお話
    8. その古い問いは、どちらの向きにもそっと回ります。
    9. 目覚めることも、ひとつの到着です。
    10. 次の週末、友だちはコートを着てやって来ました。
  • ベッドの端に座っていたのは、だれですか?
    1. 夜の訪問者は霊だと、多くの人が信じています。
    2. ある日の午後、目が覚めると、手が動きませんでした。
    3. ベッドの柱にかかっていたコートは、ただのコートでした。
    4. 母は、電車のなかから予約を取ってくれました。
    5. お医者さんは、カードに円をふたつかきました。
    6. 今夜のお話
    7. どこの人たちも、同じ感じに顔を与えてきました。
    8. わたしが感じた訪問者はおばあちゃんではありませんでしたが、それでいいんです。
    9. コートの話をすると、弟は笑いました。
    10. 今夜、試してみること
  • 悲しみは、路線の駅のように一段ずつ進むのでしょうか?
    1. 悲しみは決まった駅を順に進んでいくと、多くの人が思っています。
    2. バス停に、冬の時刻表がはり出されました。
    3. 三つ前の駅までもどってしまったと思いました。
    4. 今夜のお話
    5. アウグスティヌスは、夢がなにを証明できるかについて慎重でした。
    6. 悲しみは、うねりにゆれるフェリーのように、波になってやって来ます。
    7. わたしの見るおばあちゃんの夢は、月日とともに変わっていました。
    8. 今夜、試してみること
    9. 日曜日、いとこが赤ちゃんの知らせをくれました。
    10. 時計屋さんが、おばあちゃんのやりかけの時計をひとつ持ってきてくれました。
  • こうした夢の受けとめ方は、どこでも同じですか?
    1. 一年でいちばん長い夜は、五時になる前にはじまりました。
    2. 弟の友だちは、自分の夢をお母さんに話したことがありませんでした。
    3. お隣さんは、訪ねてくる人のためにお茶を一杯用意します。
    4. 今夜のお話
    5. 寒い北のサガは、それを別のやり方で語ります。
    6. ふたつのお話は、まったくちがう路線を走っています。
    7. 母は、それがだれの習慣だったのかを覚えていました。
    8. 弟は、おばあちゃんならわたしたちになにを頼むだろうかと聞きました。
    9. いちばん長い夜は、一年のちょうつがいです。
    10. 今夜、試してみること
  • 元気になるには、夢に見なくならないといけませんか?
    1. 雪で、フェリー乗り場へ下りる道が通れなくなりました。
    2. 弟は、自分が後戻りしてしまったと思っていました。
    3. 絆は、断ち切らなければならないロープではありません。
    4. 弟の友だちは、何年もお父さんの夢を見てきました。
    5. 今夜のお話
    6. 父親は、川を渡りたいと思いました。
    7. あの詩は、男の人に忘れなさいとは言いません。
    8. 今夜、試してみること
    9. 時計屋さんは、真夜中に雪かきをしていました。
  • 目が覚めたら、なんと言えばいいのでしょう?
    1. その夢は、氷がとけはじめた夜にやって来ました。
    2. わたしはその夢を、ひとことも言わずに、早番のあいだずっと持ち歩きました。
    3. 今夜のお話
    4. 昔の朝には、夢を話すためのそれぞれの決まりがありました。
    5. 弟は、わたしの夢がどんな意味なのかを知りたがりました。
    6. 母も、自分の夢を抱えていました。
    7. 今夜、試してみること
    8. 冬の夜がみんな、この夜のようにやさしかったわけではありません。
    9. 時計のかぎは、もう少しのあいだ引き出しにしまわれることになりました。
    10. 朝が来る前に、氷は雨どいからはなれていきました。
  • 一年が過ぎても、おばあちゃんは来てくれるでしょうか?
    1. 工房のドアが開くあいだも、赤ちゃんはずっと眠っていました。
    2. わたしたちは、時計をひとつずつ巻いていきました。
    3. 夕ごはんの前に、バンドがガレージで一曲演奏しました。
    4. お隣さんは、赤ちゃんのことを蜂たちに知らせていました。
    5. 弟は、夏の仕事を見つけました。
    6. 今夜、試してみること
    7. 弟は、おばあちゃんはまだ来てくれるだろうかと聞きました。
    8. 今夜のお話
    9. みんなが眠ったあとも、時計はカチコチと鳴りつづけていました。
  • 一年のあとで
  • かんたんなクイズ
  • この本に出てくる人たち
  • 試してみることのまとめ
  • よくある質問
  • 奥付

出版社より

大切な人を夢に見たことのあるすべての人へ。静かで詩のような、夜のお話の一年。

この本は、悲しみのなかにいる家族のほんとうの夜と、人が何千年も語りついできた夢のお話とを並べ、そうした夢がなぜあんなに近く、あんなに本物のように感じられるのかを、科学が落ちついてやさしく説明します。昔の夢占いはお話として楽しみ、そこにあるなぐさめは読む人それぞれが見つけられるようにしてあります。

語り口は澄んでいて、ゆっくりです。時を刻む時計、夜行バス、フェリー、時刻表といった小さな絵がたくさん出てきます。一章がひと晩なので、眠る前に一章ずつ、春から次の春まで、季節といっしょに読み進められます。

評価のポイント

  • 十六の章。ひと晩にひとつの古いお話で、春から次の春までの一年をたどります
  • さまざまな地域の昔話や詩を、わかりやすいことばで語りなおしています
  • 亡くなった人の夢について眠りの科学がわかっていることを、こわがらせずに説明します
  • 毎晩ひとつの、小さく落ちついた試してみること(巻末にまとめてあります)
  • クイズ、この本に出てくる人たち、よくある質問とその答え

こんな人におすすめ

  • 大切な人を亡くし、いまも夢でその人に会う若い読者
  • 古いお話や夢、夜の静かな時間が好きなすべての人

悪い夢が毎晩のようにくり返されるときや、眠りの悩みが何週間も続いて昼間の暮らしがつらいときは、お医者さんに相談してください。

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